467人が本棚に入れています
本棚に追加
「バカな男だ。大出世出来るチャンスを、与えてやったのに」
「与えてやったって、どういう意味?」
「葉月はわが社でも将来を期待された、優秀な人材だった。だがWORLDで働くよりも、東南テレビの役員となった方が、葉月にとってプラスになると思っていた。手切れ金代わりに、地位と名誉を与えるつもりだった」
「…手切れ金」
「葉月が会社を退職しても、美紅と付き合う事は認めない。美紅が大学を卒業したら、大企業のご子息と縁組みをするつもりだ」
「いやよ、勝手に決めないで。私は誰とも結婚しないわ。葉月さん以外、誰も好きにはならない!」
私の目に涙が浮かんだ。
最初のコメントを投稿しよう!