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私の涙は止まり、次第に穏やかな気持ちになる。
「また四人で出掛けない?ディズニーシーでもいいし、ドライブでもいいよ。でも本当は…二人だけで行きたいんだけどね」
空風君は私の目を見て、ニコッて笑った。その無邪気な笑顔に、思わず顔が緩む。
「やっと笑った。良かった。美紅ちゃんは、笑ってる方が可愛いから。俺なら…君を泣かせたりしない。ずっと…君を笑顔にさせる自信がある」
私は思わず視線を伏せる。
「そんな難しい顔しないで。美紅ちゃん、笑って」
空風君は優しくて、明るくて、一緒にいたら気持ちが和む。
でも私は…
目の前に置かれたオレンジジュースを見つめながら、『早く飲め』と、ぶっきらぼうな態度で缶ジュースを差し出した、葉月さんの事を考えていた。
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