Sweet 15

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私はコートを掴み、部屋を飛び出した。 葉月さんは、まだあのマンションに住んでいるはず。 タクシーを止め、葉月さんのマンションがある麻布へ向かった。 もう合鍵を持っていない私。 でも…大丈夫… きっと…逢える。 葉月さんに… 必ず逢える。 ――麻布のマンション。 葉月さんの部屋の前。 一枚の紙が、ドアに貼ってあった。 【空室、住居者募集】 一枚の紙が、通路から吹き抜ける風で、パラパラと音を立てて揺れた。 私に…黙って… 何処に行ったの。 私をおいて… 何処に行ったのよ…。
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