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「…ぅん」
進の優しさはわかってる。
この半年、私はその優しさにずっと甘えてきた。
私は狡い女だよ。
葉月さんが好きなくせに。
進の気持ちに、気付いている癖に。
気付かない振りをして、進と付き合ってきたんだ。
「さてと、食いますか?」
進は私の頭をクシャクシャって撫でると、ニコッて笑った。
いつもの進。
明るくて、優しい進の笑顔。
ホットプレートのスイッチを、再びONにし進はお肉を焼き始めた。
私は手で涙を拭う。
進…ごめんね。
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