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――翌朝…
私は成田空港に行くべきか悩み続け、夜一睡も出来なかった。
進と結婚の約束は出来ない。
だけど日本を離れる進を、どうしても見送りたかった。
時計を見る。
出発は十二時。
今から行けば、まだ…間に合う。
バッグを手に玄関を飛び出した。一階に降りるとスーパーの前でまたイベントをやっていた。
狸の身長が、昨日より低いことに気付く。思わず着ぐるみ狸に近付いた。
「あの…昨日の狸さんとは違いますよね?」
「昨日?あー昨日ね。俺はバイトだから。一昨日と昨日は社員さん」
「わっ!?狸が喋った!?」
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