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「美紅、覚えてる?初めて美紅を抱いた日。あの日も美紅は号泣していて。俺はなかなか美紅を抱けなかった」
美紅は涙で潤んだ瞳を俺に向けた。
「あの日と…おなじ」
「葉月さん…」
「ほら、泣き止んで。俺、美紅を抱きたいのに、泣いてると抱けないだろ?」
「…優(すぐる)」
俺の名を呼ぶ美紅が愛しくて。
子供みたいに泣きじゃくる美紅の唇に、そっとくちづける。
唇をゆっくり離し、見つめあったまま再び唇を重ねた。
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