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◇◇
俺は舞台の上で妖怪を演じながら、客席に視線を送る。
笑顔の子供達に混ざり、泣きながら舞台を観ている美紅をずっと見ていた。
美紅…
なぜここに来た。
この間、男性と一緒だっただろ。二人で仲良く手を繋ぎ、買い物していたじゃないか。
あいつは美紅の恋人だよな?
だったらなぜ…
俺を、今さら惑わす。
四十分後、一回目の公演が終わり、俺は着替えて美紅の傍に行く。
公演が終わりガランとした観客席に、ポツンと美紅が座っていた。
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