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俺は美紅に冷たい缶珈琲を渡す。
「…ありがとう」
美紅が両手で缶珈琲を受け取った。俺は美紅の隣に座った。何から話せばいいのかわからず、暫く沈黙が続いた。
「あのな…」
「あのね…」
二人の声が重なり、思わず顔を見合せ微笑み合う。
「葉月さんから…言って」
「ああ、どうしてここがわかった?」
「スーパーの狸さんに聞いたの」
「狸?あの赤木か。お喋りなヤツだな」
「葉月さんは、初めから私に気付いていたんだよね。なのに…どうして声を掛けてくれなかったの?」
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