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泣くなよ…
相変わらず泣き虫だな。
あの頃と、ちっとも変わってない。
幸せなら、笑っていてくれよ。
俺の前で…
笑っていてくれよ。
でないと彼から美紅を奪いたくなるだろ。
「葉月さ~ん、事務所から電話」
「おぅ、今行く」
スタッフの女性に呼ばれ、俺はベンチから立ち上がる。
「…じゃあな、美紅。元気で…」
美紅に背中を向けた時…
美紅が俺の背中に抱き着いた。
ギュッと体に回した手が、俺を捕らえて離さない。
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