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「悪いな。電話折り返しにして」
俺はスタッフに向けた視線を、美紅に向ける。
「仕事の邪魔をするな」
「……」
「そんなに強くしがみついたら、俺、理性飛んじゃうだろ」
「葉月さん…」
「忘れよう、忘れようって、ずっと頑張ってきたのに、なんでそんなことをするかな」
「だって…」
「大人の俺を、まだ惑わす気?」
俺の背中で、美紅の嗚咽が聞こえる。
「しょうがないな」
緩んだ美紅の手をほどき、俺は美紅と向かい合った。
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