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「パパはね、きっと確かめたかったのよ。反対されたくらいで別れてしまうのなら、それは本物の愛ではないと。本当に愛しあっていれば、どんな困難も乗り越えられるはずだと。
そうでなければ、大切な娘を委ねることなど出来ないと」
お母さんが美紅の頭を優しく撫でた。
「ごめんね、美紅。ママが一番味方になってあげなければいけなかったのに。でもね、ママも母親として確かめたかった。まだ十八だった美紅の本当の気持ち。一時的な恋なのか、本物の愛なのか 、ママも確かめたかった。今夜葉月さんが家に来なければ、それは偽りの愛だと思っていたの。
だから…本当は嬉しかった。仕事の依頼はきっかけに過ぎないわ。きっとパパも同じ気持ちだと思う」
「お母さん…」
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