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「さぁ、二人で帰りなさい。今夜はパパと二人きりにさせて」
お母さんは美紅を優しく抱き締めた。
「美紅…。親はね、子供の幸せをいつだって、祈っているのよ」
お母さんの言葉に、俺の胸は熱くなる。
俺達はお母さんを病院に残し、二人で車に乗り込んだ。
「…パパとママが、駆け落ちしていたなんて…知らなかったよ」
「…そうだな」
俺は助手席に座る美紅の頭を、クシャッと撫でる。
「お父さんが元気になったら、もう一度話し合うからな」
「うん。…ねぇ…優」
「なに?」
「…キス…して」
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