Sweet 23

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――と、その時… 父が私の手をギュッと握り返した。 「パパ!パパ!わかるの?美紅だよ。ママもここにいるよ」 「あなた…あなた…」 閉じられた瞼… 一筋の涙が、頬に零れ落ちた。 パパ… 泣かないで… パパ… 大丈夫…私達が傍にいるから…。 ――あれから一ヶ月 父は一進一退を繰り返した。 意識は戻り、少しだけなら会話も交わせるようになり、父はICUから個室に移った。 私は父が回復し、ICUから個室に移れたのだと、そう解釈していた。 でも…違ったんだ。
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