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少し緊張しながら部屋の鍵を開ける。部屋の中は静まり帰っていた。
良かった…
優はもう会社に行ってる。
ホッと胸を撫で下ろし、室内に入りリビングのドアを開けた。
私の視界に…
ソファーに座っている優の姿…。
頭を抱え項垂れていた優が、ゆっくり視線を向けた。
「…みく」
「…優…どうしているの」
「美紅」
優はソファーから立ち上がり、逃げ出そうとした私の腕を掴んだ。
「嫌よ、病院には戻らない!優一ヶ月でいいの。あと一ヶ月…私に時間をちょうだい。そうしたら、ちゃんと赤ちゃんを産んで、ちゃんと治療もするから…」
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