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優は黙って…
私を抱き締めた。
「…良かった。無事で良かった」
優の声は微かに震えている。
優が…泣いてる?
私を抱き締めたまま、優が泣いてる。
私の視界も、涙で霞んだ。
病院を勝手に抜け出した私のことを、優は怒っていると、そう思っていた。
だけど…
優は私を抱き締めたまま、ぽろぽろと涙を溢した。
「美紅…心配したよ。何処に行ってたんだ。俺は…美紅に生きていて欲しい。だから、もう何処にも行くな」
「優…お願い…。あと一ヶ月待って…」
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