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抱き締めた腕の中で、『美紅は子供を産みたい、一ヶ月待って欲しい』と、何度も何度も俺に懇願した。
「優…お願い…」
俺に縋り、声を震わせ泣いている美紅。
俺の心は激しく揺れる。
もしも、美紅の願いを聞き入れたなら、美紅の命を縮めてしまうかも知れない。
あと一ヶ月引き延ばしても、赤ちゃんは千グラム。
千五百グラム以下の赤ちゃんが、無事に育つ保障もない。
美紅の命と…
赤ちゃんの命…
神様は…俺に…
どちらを選べというのか。
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