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「…約束するわ。私は死なない。死んだりしない。赤ちゃんを残して、死んだりしない。ママや優を残して…死んだりしないよ」
「絶対だからね。約束を破ったら、ママは許さないから…」
泣いている二人を見て、俺の目から涙が溢れた。
――その夜、美紅は俺の腕の中で安心したように、眠りについた。
ぐっすり眠っている美紅の額に、俺は口づける。
まだ二十歳の美紅。
どんなに不安で、どんなに辛い想いをしているのか。
俺は美紅と代わってやりたいよ。
なんで…美紅なんだよ。
なんで…。
泣き腫らした瞼が痛々しくて、俺は眠っている美紅を抱き締めたまま、なかなか眠りにつくことが出来なかった。
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