Dear 5

17/19
前へ
/33ページ
次へ
「…約束するわ。私は死なない。死んだりしない。赤ちゃんを残して、死んだりしない。ママや優を残して…死んだりしないよ」 「絶対だからね。約束を破ったら、ママは許さないから…」 泣いている二人を見て、俺の目から涙が溢れた。 ――その夜、美紅は俺の腕の中で安心したように、眠りについた。 ぐっすり眠っている美紅の額に、俺は口づける。 まだ二十歳の美紅。 どんなに不安で、どんなに辛い想いをしているのか。 俺は美紅と代わってやりたいよ。 なんで…美紅なんだよ。 なんで…。 泣き腫らした瞼が痛々しくて、俺は眠っている美紅を抱き締めたまま、なかなか眠りにつくことが出来なかった。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

400人が本棚に入れています
本棚に追加