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外科病棟、病室は南向きの個室。大きな窓からは、歩道を行き交う人が見える。
私は持って来た荷物を、優と一緒に部屋の隅にあるクロゼットの中に納めた。
「優、明日美生も連れて来て欲しいの」
「美生も?」
「うん、手術の前に、あの子の顔を見たら頑張れるから」
「わかったよ。連れて来る」
「葉月のお母さん大丈夫かな?美生泣き虫だから、心配だな」
「美生は美紅にそっくりだからな。お袋は女の子を育ててないから、泣かれると慌てるかも。でも大丈夫だよ、俺を育てたお袋だから」
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