Dear 15

2/38
416人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
外科病棟、病室は南向きの個室。大きな窓からは、歩道を行き交う人が見える。 私は持って来た荷物を、優と一緒に部屋の隅にあるクロゼットの中に納めた。 「優、明日美生も連れて来て欲しいの」 「美生も?」 「うん、手術の前に、あの子の顔を見たら頑張れるから」 「わかったよ。連れて来る」 「葉月のお母さん大丈夫かな?美生泣き虫だから、心配だな」 「美生は美紅にそっくりだからな。お袋は女の子を育ててないから、泣かれると慌てるかも。でも大丈夫だよ、俺を育てたお袋だから」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!