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◇◇
俺は今…
美生と一緒に手術室の前にある、待合室にいた。
そこで美生の母親と、不安な時を過ごしていた。
「パパ、ママは大丈夫かな?」
七歳になった美生が、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。俺は美生の肩を引き寄せ抱き締めた。
「大丈夫だよ。ママは何度でも奇跡を起こすから」
三人で手術中のランプを見上げた。今日は六月八日。美紅の二十八回目の誕生日。
暫くして手術中のランプが消え、俺達は待合室から出て手術室の前に立つ。
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