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すると神谷猛は私の手を強くしっかり握り返してきた。
…温かくて私の手をすっぽり包み込む大きな手。
私はビックリして思わず顔をあげて神谷猛を見た。
トクンッ…
自然と目が合った。
と、同時に神谷猛の眼差しに私の胸は跳ね上がった。
「オレ、
未來ちゃんのこと好き!」
!!
その時、開いていたすぐ側の窓から一陣の風が舞い込んだ。
桜の花びらを乗せた風が私の髪を撫でる。
「あ…頭に、桜の花びらが…」
「!?」
繋いでいない手で神谷猛は、
私の頭についた桜の花びらをとるとふっと柔らかく笑った。
「………!!」
ひゃあああ"ー!!
い、今!私の髪、さ、触られたっ!!…てか、
『未來ちゃんのこと好き』って…
………………軽い。
意味わかんない…!
目の前に謎の生命体がいる。
…どうしよう…
パニックで頭がくらくらする。
神谷猛は私をストーカーって決めつけて冷たくあしらってた失礼な態度から、人懐っこい仔犬のような態度に急変した。
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