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「…わかりました」
渡仲君は、黒渕眼鏡を直しながら姿勢正しく返事をした。
猛先輩より渡仲君の方が、最初私が囲碁する人はこんなかなって想像していた人のイメージに合う…。
「ま、細かい事はその都度説明するとして…肝心の勝ち負けの判定方法!ズバリ、囲碁は陣地とりゲーム!
この碁盤の上で黒と白がそれぞれ自分の陣地を囲って広い方が勝ち!囲うから囲碁ってわけよ!」
猛先輩の説明はだいぶ熱を帯びてきた。
…囲碁、ほんとに好きなんだ…
「単純なルールなだけに、攻防とか癖とかその人の性格出ちゃって面白いよ~!!」
ずっと黙って猛先輩の説明を一緒に聞いていた織田先輩が話に割って入る。猛先輩が頷きながら後に続く。
「そう、囲碁は打つ事で何も喋らなくても、会話以上にその人と分かり合えたり出来る。言葉通じなくても世界中の人と出来るし、囲碁は神や仙人のゲームって言う位なんだ!」
なおも猛先輩の力説は続いた。
…結局その後、実演交えてワイワイと雑談が続いた。
下校のチャイムが鳴り、校舎は施錠のため生徒は帰宅するようにと、校内放送が繰り返し流れ出した。
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