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「?!」
あれ?!
「あ、お疲れさま、です…」
猛先輩は自分の電話番号とメールアドレスは私に教えず、そのままスタスタと帰って行った。
……ええっ??
猛先輩…携帯番号とか連絡先…
私には教えてくれないのっ?!
校内放送の帰宅を促す音楽がずっと流れ続けている。
早く校舎から出ないといけない。
…だけど私は、1人ポカンとした顔のまま誰もいなくなった教室にいた。…なんとかふらっと出る。
「……番号、聞きかえせばよかった…」
無条件で教えてくれると思った。
教えたから教えてくれると浮かれた自分がバカみたい。
自惚れた自分が恥ずかしい…!
「こらっ、早く帰りなさい!」
見廻りをして戸締まりして行く先生に注意されて思わず階段をかけ降りる。
後ろで先生が危ない走るなと言ってるけど、早くここから出たくて、校庭の外まで必死で走った。
正門を出てようやく走るのを止める。
ふと見上げると、
空には白く薄いままの月がポカンと浮かんでいた。
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