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…夢のはずはないし…
『デート』の話をしたいけど、近くに部員がいるからここでは聞きにくい…
何かを期待して、さっきあいさつした時私はぎこちなくなったけど、猛先輩はあまりにも普通すぎて…
戸惑っている私を知ってか知らずか猛先輩は『打とう』と言ってきて今にいたる。
私は猛先輩にそもそもを聞いた。
ルールはなんとなくわかった。
けど、この広い碁盤のどこにまず打てばいいか、分からない。
「囲碁は決まりがないからどこに打ってもいい」
「………」
「けど、まぁ、じゃあ、先ずは生きる事覚えようか!」
「生きる?」
「石は一つだけだと弱い。だから、仲間を作るんだ!石と石は繋がるように意識して打つことがだいじ!
人間も一緒!集団の中で孤立したら辛いでしょ?
当たり前のことだけど、まず、生きる事、つまり石を繋げることを忘れないように!じゃ、早速打ってみようか!」
「はい…!」
「未來は初心者だから、
19路の碁盤(縦横19の線が交わっている)の方じゃなくて、
9路盤(縦横9の線)の、少し小さな碁盤で打とう。未來黒石ね」
「私から打つんですね?」
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