きっかけ

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私こそ猛先輩の何を知っているの? は、恥ずかしい…! …顔が、熱い…!! 私また顔が赤くなってる…! でも暗いから分からないよね?… 「…未來は優しいね」 猛先輩はふっと力を抜いて笑った。 「っ猛先輩!…私、本心ですよ?!真剣に聞いて下さい!」 またふっと猛先輩は笑った。そして私を真直ぐみつめて言った。 「未來は真面目だね。そして、素直で優しい」 「っ……!?」 …褒めてくれてるのかな? でも、真面目って言われても何故か嬉しくない… 私はまた返す言葉を失っていた。 猛先輩から目をそらす。 私は自分の足先を見つめながらぐるぐると考えた。 …この気持ちはいったい何? 「やっぱりオレ、未來の事好きだな!」 「……………え?」 低く少しハスキーで耳に残る魅力的な声が私の頭の上に響いた。 その声に私は反射的に顔を上げた。 「!!」 …猛先輩は私と目が合うと、にこっと甘い微笑みを放つ。 パチンっと、その瞬間停電。ぐるぐると回っていた思考は停止。 私の中のブレーカーは、残念ながら落ちた。 …信号が変わって人々が行き交う交差点のすぐ側で私は一人、暫くぼおっと突っ立っていた…
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