第1話

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  世の中、正しい方が生きづらい。 間違った道は平坦だ。何の障害物もなく、舗装されて、歩きやすい。何なら赤の他人から背中を押してもらえる。 楽な方が生きやすい。誰だって好き好んで辛い道を選ばない。ドMと修行僧は置いといて。 例えば、間違いを正そうと意見すれば、「あいつマジ目立ちたがりだよな」とか陰口を叩かれて孤立。 例えば、将来のために勉強をしていると、「ガリ勉とかチョーウケる」とか笑われて孤立。 例えば、欲求に従ってエロ本を買いに行って、後日その光景を始終見ていたクラスメイトに「エロ本買いに行くとか溜まりすぎ(笑)」とか言いふらされて孤立。 以上。例を挙げればきりがない。……最後のは違うか。違うね、うん。 要は、社会が一度楽な方へと流れてしまうと逆行するのは困難だということ。 せいぜい流れに逆らえるのはコイキング程度だろう。逆らいすぎた挙句、滝まで登ってギャラドスになっちゃうレベル。  
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