転機

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  部活。 略さずに言えば部活動。全然短くなってねえ。 それはまさしく『青春』の象徴――特に運動部――と呼べるのだろう。 日頃の過酷な練習。休日返上で土にまみれ、もし部活にも『労働基準法』みたいなのがあれば強豪校なんて余裕で冒涜してる。 擦り傷だらけの体であっても楽しいから、部活のために通学してるからと、彼ら彼女らは笑う。 紛れもない『青春』の一ページ。孫への語り草になるだろう。 しかし同時に、部活とは人生の象徴でもある。 汗にまみれ泥にまみれ、俺達が一番練習を積んできたんだという自負が、例えあったとしても。 それでも、一番にはなれない。 高校野球を思い浮かべると分かりやすい。 甲子園を目指すために強豪校に入り、レギュラーになるために練習し、一番になるために勝ち続ける。 青春だ。ドラマチックだ。夏の風物詩だ。 彼らは目指す。“たった一つだけの王座を” つまりはそういうこと。その努力が最高の形で報われるのは一校のみで、あとは全て悔いを残したまま終わる。 部活とは社会を知るための場だ。 努力をしても叶わない物事を知り、取るに足らない者に足元を掬われることを学ぶ。 履歴書にも大して反映されないし、上司には逆らえないように調教される。  
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