あれから三ヶ月。

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柚子の笑顔を見て安堵したのか、朝倉は手を下げて肩の力を抜き一一。 直後、想いを断ち切るようにして勢いよく踵を返した。 そのまま駅の方向へ向かって歩いて行く朝倉の後ろ姿を、柚子は複雑な思いで見送った。 (………さよなら。朝倉くん) 長い間の探し物がようやく見つかったかのように、胸の支えがスーッと取れていくのを感じ。 柚子は晴れやかな笑顔で証の顔を見上げた。 「ありがとね、証。言いたいこと全部代弁してくれて」 「………お前が言われるがままになってるからだろ」 柚子の肩を抱いたまま、証は不本意だと言わんばかりの顔をした。 だがすぐにその姿を追うように、朝倉が歩いて行った方向に首を巡らせた。 「…………でもまあ、そんなに悪い奴じゃねーのかもな」 「…………………」 最後の潔さが印象を変えたのか、証はそう言ってふっと吐息した。 柚子は小さく笑いながら、ゆっくりと頷く。 「…………うん」 嬉しそうな表情を見せた柚子を見てイラッとしたのか、証は柚子の頭をぐしゃぐしゃとかき回した。 「ちょっ……何すんのよ!」 「言っとくけどな、前に会った佐伯って奴よりはマシってレベルだからな! 二人とも俺の足元にも及んでねーんだからな!」 「………………」 「大体お前のその男見る目のなさで、よく最終的に俺にたどり着けたもんだよな。すげー大金星だぞ」 「………………」 よくもまあここまで自分のことを褒めちぎれるものだと思ったが、柚子はあえて黙っていることにした。 悔しいが、そのほとんどが事実だったからだ。  
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