1478人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ、あの二人って、付き合ってないのかなぁ?」
「さあ。長瀬さんはともかく、羽村さんは長瀬さんのこと、苦手なんじゃねーの?」
「ええ? そうかなぁ? むしろ仲良しなのにぃ?」
「そう見えるのか、お前には」
「うん!」
勢いよく答えた私に、修平は少しだけ驚いた顔。
……って言っても、修平って基本的に表情があんまり変わらないから、それを読み取るのはなかなか大変だと思う。
無駄に付き合いが長い私には、もちろんすぐにわかるけど、さ。
「……ま、それならいいけど」
「えっ?」
「こっちの話」
一人で勝手に納得して、修平はお酒に口をつけた。
こうなったらもう、いくら追求したって話してくれることはない。
口が堅いと言えば長所なんだろうけど、もう少し、会話を楽しむ努力をした方がいいと思う。
.
最初のコメントを投稿しよう!