【番外編(1)】いちばん大切なひと

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  「……ユリナ? どうした? 気分悪いのか?」 「……平気、だもん」 気遣ってくれる修平の声にさえ、嫉妬しちゃいそう。 私には馴染まないように思える大人の空気を、修平だけが持っている。 俯いたままの私に、修平は立ち上がった。 「店、変えるぞ」 「えっ……」 「ユリナが行きたいって言ってたバー、今なら空いてる」 「ええっ、でも……」 「まだ十時半だろ。おばさんには俺が謝ってやるから」 そう言った修平は、私の隣に来て、手を差し出した。 .
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