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「……ユリナ? どうした? 気分悪いのか?」
「……平気、だもん」
気遣ってくれる修平の声にさえ、嫉妬しちゃいそう。
私には馴染まないように思える大人の空気を、修平だけが持っている。
俯いたままの私に、修平は立ち上がった。
「店、変えるぞ」
「えっ……」
「ユリナが行きたいって言ってたバー、今なら空いてる」
「ええっ、でも……」
「まだ十時半だろ。おばさんには俺が謝ってやるから」
そう言った修平は、私の隣に来て、手を差し出した。
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