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修平が連れて行ってくれたバーは、カウンターしかない小さなお店だった。
薄暗いけれど怖くはなくて、心地良い音量のジャズが流れている雰囲気がすごく良い感じだ。
「……こんなところに、誰と来るの?」
「誰とも」
修平が答えたと同時に、カウンターの向かいで微笑んでいたバーテンダーのおじさんが声をかけてくれた。
「いらっしゃい、高井くん」
「こんばんは。俺はいつもので。ユリナはどうする?」
「えっ、えっと……」
慌ててメニューを手にしたけれど、一体どれがどんな味のするお酒なのか、全然見当がつかない。
うーん、と唸りながらにらめっこしていたら、修平がそれを取り上げた。
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