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「あっ! 何するのよぉ!」
「見てもわからないだろ。マスター、甘めで度数の低いヤツ、お願い」
さっきのおじさん……いやマスターがにこやかに「かしこまりました」と注文を受けてくれた。
私は何となく釈然としなくて、つい文句を言ってしまう。
「ユリナだって選びたかったのにぃ……」
膨れっ面でそう言うと、修平は軽く笑った。
「何も一杯飲んだら帰ろうって言ってるわけじゃないだろ。次までに決めておけばいい」
「……でも、こんなの、わかんないもん……」
ベースって何? リキュール? カクテルの名前?
英語混じりの華やかな名前たちに、疑問ばかりが浮かんでくる。
手元のメニューの右側の一角を、そっと修平の指先がなぞる。
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