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「しゅ、修平っ!」
澪先輩と長瀬さんに、背中を押された後。
私はデスクでMacに向かっている修平の横で、仁王立ちで彼を見据えていた。
「……何だよ?」
私の声に、修平がこっちを向いた。
ちょっとだけ、怪訝な顔。
言うべきことは決まっているし、ここに来るまで何度も心の中で練習した。
なのに、いざとなると急に、緊張してきて声にならない。
「え、えっとぉ……あのぉ……」
どう切り出すか思案している私に、修平は眉間のシワをさらに深く刻んで言う。
「……どうしたんだよ? 馬鹿っぽさに磨きかかってんぞ」
「なっ! 失礼ねぇっ! ユリナはただっ……!」
そこまで言って、ぐっと言葉に詰まった。
私は、ただ。
修平の気持ちが、知りたくて。
どうして知りたくなったのか、自分でもわからない。
だけど、澪先輩と長瀬さんと話していたら、絶対に聞かなくちゃと思ったんだ。
俯いた私に、修平は体ごと向けて、尋ねてくる。
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