【番外編(1)】いちばん大切なひと

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  「……本当に、変だぞお前。どうした? 何かあったのか?」 「な、何もないわよぉ……」 不意に優しくなる修平の視線に気付いて、思わず目を逸らしてしまう。 意を決して、私は口を開く。 「ねぇ、修平」 呼びかけてすぐ、決意が揺らがないうちに、私は何度も心の中で練習した言葉を吐き出した。 「今日、飲みに、行かない?」 一瞬、面食らったような顔をした修平に、心臓がぎゅっとなる。 どうしよう、嫌だとか言われたら。 そんな不安が突然生まれて、嫌な汗が背中を伝う。 ここで理由を聞かれても困るし、いつもみたいに馬鹿にされてかわされても終わりだと思った。 勇気を振り絞って誘った分、いま断られたらもう二度と、誘えないような気がしていたから。 .
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