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私の葛藤を知るはずのない修平は、事も無げに答える。
「……いいけど」
バッと顔を上げると、いつも通りの修平の表情。
「い、いいの?」
「ああ」
「じ、じゃあっ、後でね! 十九時くらいに声かけるからっ!」
「ん」
修平が頷いてくれたことを確認して、私は踵を返した。
修平の向かい側、自分のデスクに戻って座る。
顔を見られたりしないよう、Macの陰に隠れた。
誘うだけでこんなに緊張してどうするの自分!
数時間後にはもっと大変な話をしなくちゃなのに!
頬を軽くパチパチと叩いて、気合いを入れ直す。
それにしても何だか、ホッとしたような嬉しいような、不思議な気分だ。
修平と飲みに行くのなんて、初めてでもなんでもないのに。
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