【番外編(1)】いちばん大切なひと

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  私の葛藤を知るはずのない修平は、事も無げに答える。 「……いいけど」 バッと顔を上げると、いつも通りの修平の表情。 「い、いいの?」 「ああ」 「じ、じゃあっ、後でね! 十九時くらいに声かけるからっ!」 「ん」 修平が頷いてくれたことを確認して、私は踵を返した。 修平の向かい側、自分のデスクに戻って座る。 顔を見られたりしないよう、Macの陰に隠れた。 誘うだけでこんなに緊張してどうするの自分! 数時間後にはもっと大変な話をしなくちゃなのに! 頬を軽くパチパチと叩いて、気合いを入れ直す。 それにしても何だか、ホッとしたような嬉しいような、不思議な気分だ。 修平と飲みに行くのなんて、初めてでもなんでもないのに。 .
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