【番外編(1)】いちばん大切なひと

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  十九時半過ぎ。 私と修平は向かい合って、お酒を飲んでいた。 こういう話をするためのお店なんて全然思いつかなかったから、澪先輩に教えてもらったところにした。 いつも行くようながやがやしたお店じゃなくて、静かで落ち着いた、大人のお店。 澪先輩はいつもこういうところで飲んでるのかなあ? 何だか、このお店の雰囲気がステキ過ぎて、緊張しちゃう。 私には似合っていないような気がして、ちらっと修平の方を窺った。 ら、目が合った。 「……で?」 「へっ?」 「ユリナからいきなり飲みに行こうなんて、珍しいから」 つき出しの煮こごりに箸を付けた修平が、私に言葉を促してくる。 今すぐに、本題は切り出せない。 もう少し飲んで酔っ払ったりして、勢いをつけないと、無理だ。 私は一杯目に選んだリンゴのお酒を口に運んだ。 .
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