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「は!」
「ふん、やっと起きたか」
どうやら俺はいつの間にか気絶していたらしい
にしてもあの夢みたいなものはなんだったんだ・・・・・・・
ひどく気味が悪かった
「くそ、とんでもない事をしてくれたな人間」
「なんだと、俺が何をしたって?」
「貴様、腕輪を着けて我に見せただろう。その時に契約の儀は終わった」
「契約だと?」
言っている意味がわからない
混乱した俺は答えを聞くため質問しようとしたが、コイツのひとことによって俺の混乱はさらに加速する
「ああ、今を持って我は貴様の物になった」
「は?」
「なんだ、不服か・・・・」
「い、いや意味が分からないんだが」
「そのままの意味だ。貴様が着けていた腕輪があったろう」
「あの腕輪か・・・・そういえば腕が軽い」
あの腕輪見た目の割には重かったはずだが何故か腕が軽い
俺は腕輪を見るため自分の腕に目を向けた
だが
「な、無い・・・・腕輪がないぞ!?」
そう、腕に着けてあったはずの腕輪が無くなっていた
「落ち着け。腕を見てみろ」
「何・・・・これは?」
俺は言われた通りに腕をよく見た
そしたら丁度腕輪を着けてあった部分に一回りほどの奇妙な紋章があった
「それは『主人の証』という物でな、それで主人の証明ができる」
「主人の証・・・・?」
「ああ、貴様が着けていたあの腕輪、元は我の物でな」
「そうだったのか」
「あれは妖怪一体につき一つまで持たされる事が許された『従者の腕輪』なのだ。その腕輪を譲り渡すということは主人関係の成立・・・つまり我は貴様の従者になった」
「なるほど。だから『俺の物』か・・・・ちなみに何か不便な事とかあるのか?」
「ある、ありすぎて困る位な」
「ほぅ、例えば」
「まず、我は自分の意思で貴様から50m以上離れることはできない」
「一つ目から大いに不便だな・・・・・」
ここであることに俺は気づく
「まさか俺もお前から離れられないのか?」
「ああ、貴様も我から50m以上は離れられん」
(こんな得体の知れない奴と付かず離れずの生活をしなければいけないだと・・・・)
(まさか人間との生活を強要されるとは・・・・・)
お互いが絶望した所で会話は終了する
「俺、風呂に入ってくる・・・」
「丁度いい。我も一人になりたかった所だ」
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