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失敗だった
と、叶は思う
髑髏はあれくらいで死ぬ訳がない
奴は油断ならない男だ
「たくよ、ヤベーなあの人間。まさかあそこまで殺り合えるとは思わなかったぜマジで」
「そこまで褒めるのか?」
「ああ、アイツは今から経験を積んでけばいずれは化けるかもな」
髑髏はへらへら笑いながら
叶を木に縛り終えたと見る
荒縄である
我が力を入れれば千切れそうだが
毒によって力が出ない上妖力封じの札まで貼ってある
現時点でこれから脱出するのは不可能だった
「まだいたんだなーああいう芯の入ったやつ」
「珍しいなお前がそこまで褒めるとは」
「まぁな。さてそろそろお前に聞きたいことがある」
「・・・・・・・何だ」
「そう身構えるなよ。『あいつ』の居場所だよ」
「断る」
「即答かよ。まぁいい、じゃあ後でじっくりと聞かせてもらうぜ。今はあの人間を始末しなきゃいけないからな」
「見逃すのではなかったのか」
「気が変わった。嫌な予感がするんだそれにお前もすぐに殺すからな。勿論あいつの居場所を聞き出してから」
「・・・殺すならさっさと殺せ」
「おいおい、潔い振りなんかしてんじゃねーよ。そんな事口では言ってるけど腹の中では俺を出し抜く方法考えてんだろう?おめーの腹の中は俺以上に混沌としてるぜ」
髑髏が顔を近づける
お互いの息が届くまで
「安心しろよ、あの世で会わせてやるよ・・・・・わかったんならそこで大人しく待ってな」
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