1.高校1、2年生

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3月25日 春休みなので実家に帰ってきた。 幼い頃から長く寮生活を送っていても、やはり一番実家が落ち着くものだな。 広いリビングで家族が集合しまったりくつろいでいると、お手伝いのトメさんが来客を知らせてきた。 長海様のご友人ですと言うので誰かと思ったら、応接室で待っていたのは清剛だった。 突然どうしたと尋ねたところ、お祖父様と喧嘩してきたらしい。 なんでも、清剛が学園に行っている間にお祖父様が勝手に清剛の部屋の模様替えをしたんだそうだ。 集めていた漫画に小物、洋服は捨てられ、お祖父様好みの部屋に変えられてしまっていたことに腹を立てた清剛は、衝動的に家を飛び出してしまったらしい。 確かにいくら親族とはいえ個々に確立した人間なのだから、孫の趣向が気に入らないからと勝手に部屋や持ち物を変えるのはよくないな。 匿ってやろうと決めた俺様は、清剛をお祖父様が謝ってくるまで家に泊めることにした。 両親に了解を取り、清剛の家にもお祖父様が謝るまで帰らないことを告げ、急遽お泊まり会だ。 清剛の両親は俺様の家に突然息子を泊まらせることに恐縮していたが、彼らもお祖父様の行動に閉口していたらしくお灸を据えてやって下さいと最終的には頼んできた。 ふん、いいだろう、あのじじいめ昔から我が儘で自分勝手な偏屈狸だったのだ。 ぎゃふんと言わせてやる、覚悟しておけ。
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