230人が本棚に入れています
本棚に追加
/123ページ
朝はメイリンに起こされ、他のメイドが着替えを手伝おうとするのを必死で止め、昨日と同じ場所で朝食を家族で食べていた。
「お兄ちゃん!
これあげるね。」
「ありがとうリオン。
じゃ俺からはリンゴあげるな。」
「やった!ありがとう!」
昨日の今日でリオンと食べ物の交換をするぐらいまで仲良くなれた。
もう抵抗は無いみたいだ。
ステラはあいさつはしてくれたが、目を合わせてくれない。
そんな様子を母様は微笑んで見ているのに気づいた時は何故か恥ずかしかった。
俺は最後に朝食を終え、部屋で荷物を持ち、登校することにした。
お城の出口に制服を着たメイリンがいた。
可愛い過ぎるんっすよ!
こんな可愛いい子と仲良くする機会なんてあっちの世界では無かったなぁ。
意外にこっちの方がモテるんじゃ?
そんな事を考えながら昨日教えてもらった道を2人で歩いているとやけに視線を感じる。
お城から学校までは人で賑わうメインストリートを真っ直ぐ行くだけ。
回り道も横道もない。
人が多いのは昨日で分かっていたことだけど……
「キア様だ。
あのデブがどうしたらあんなに痩せるんだ?」
「あなた!声が大きいわよ。
聞こえたら殺されるわよ。」
別の所からも……
「嫌われてるのに気がついて精神的ヤバイんじゃない?
しかし、メイリンちゃん可愛いな。」
「俺たちのアイドルを・・・キアマジコロス。」
学校に近づくにつれ、そんな会話が増えていった。
声のする方を見ると一斉に目を逸らす。
そんな事を繰り返しながら学校というには大きすぎる建物に着いたわけだ。
「昨日見たけど…とても学校には見えね~わ。」
靴は履き変えなくていいので、入り口から中に入り、教室に向かうために廊下の角を曲がると何かにぶつかった。
「きゃっ!」
俺は衝撃は無かったが、女子が倒れていた。
「わ、悪い。
大丈夫か?」
「えぇ。
すいま……すいません!すいません!殺さないで!何でもしますから!」
「はぁ?
ぶつかったのはこっちだし。
悪かったな。立てるか?」
怖がる女子の手を取り、引っ張って立たせた。
「悪かったな。
じゃな。」
最初のコメントを投稿しよう!