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「何だ・・・これは?」
そこにいるのは見覚えのある顔、しかし、俺の顔であって俺の顔では無い。俺によく似たおデブ君がいた。
「そんなバカな!
いくらなんでも急に太らね~だろ!?
だって昨日までは……」
俺は右手を挙げた。
鏡に映っているおデブ君も右手を挙げた。
俺は左手で頬をツネッた。
鏡には自分で頬をツネッて涙目のおデブ君。
「な、なんじゃこりゃー!!
嘘だろ!?これは夢だ!
そう!夢だ!
こんな二重あごなんて俺は信じない!!
きっと夢だー!」
俺は自分の顔を触り、感触があるのを確かめた。
間違いなく俺は太ってる。
「なん…だと……やっぱり俺だ。
とにかく、ここから出なきゃ!」
周りを見渡すと1番近くに扉があった。
「この2メートル程のサイズは間違いなく出口だ!
ラッキー。」
俺は急いで扉へ向かおうとするが、体に重りが纏わり付いているのかってぐらい重力がかかる。
そもそも走れない。
「くそ!3歩で息切れかよ。」
俺は元は小柄で50キロしかなかった。
それがいきなり100キロ以上はあるかもしれない体に変わってるんだから無理もない。
やっと扉の前に立ってドアノブに手をかけた。
「ベットから出口まで近いのに…ハァ…ハァ…息切れが半端じゃ無い。
でも…ハァ…ハァ…これで……逃げれる!」
扉を開いた俺を待っていたのは沢山の洋服達だった。
「ってクローゼットかよ!どんだけでかいクローゼットなんだよ!
バカじゃないの!?
誰が着るんだよこのサイズ?
ってか俺か!?
……ツッコミいれてる場合じゃないな。」
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