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――五月一日、美生は無事に退院の日を迎えた。
美生の体重は、増減を繰り返したものの、大きな障害が残ることもなく、二千五百三十グラムに成長していた。
美生を出産し、すでに三ヶ月の月日が経っていた。
日差しは柔らかく、ぽかぽかと暖かい春の日、俺達は美生を迎えに行く。
美紅の定期検査の結果も異常なしで、俺達はホッと胸を撫で下ろした。
――GCU(回復室)
美生は前日に預けていたピンクのベビードレスに身を包み、俺達を待っていた。
生まれた時の体重より、二倍以上に成長した美生。標準の赤ちゃんよりも小さいながら、頬はふっくらとし血色はよく、可愛い桜色。
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