第11話

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あれから結局、彼女はフレンチトーストが食べたいとか言い出して、フランクな雰囲気のカフェに入った。 フォークとナイフで器用にトーストを切り分けながら、美しい所作で満足そうに食べていた。 俺はコーヒーを飲みながら、サンドウィッチを摘む。 近くの女子たちが、 “お似合いの2人だね!”とヒソヒソ話していたのが何だかこそばゆかった。 彼女はどこにいても絵になる。 むしろ自分はその空間に交ざらず、遠くからずっと眺めていたい。 多分自分は相当イカレてきてる。 笑ってるつもりはないが、頬が緩んでるらしく「気味が悪い」と何度も彼女から顔をしかめられた。
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