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「そしたらね、戸川君がさっと席立ってトイレ行ったらしいのよ」
「…うん」
反応に困り微妙な顔で続きを待ってると、麻紀はさらに嬉しそうな顔で身を乗り出してきた。
「きっと戸川君、紗衣を探しに行ったんじゃないのかな、って」
「辻褄は合うけど…。
ほんとにトイレだったのかもよ」
だってあの時点ではそれほどの知り合いじゃなかったんだから。
期待しすぎちゃいけない。
「いやいや、怪しいよ。
それでね。少しして戻ってきて、悪いけど用があるからお先、って飲み代置いて帰ったって。
それって、わざわざ紗衣のために抜けたんじゃん」
「…結果的にはそうなるね」
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