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三浦君の声で我に返る。
「…先輩、聞いてます?
あいつ、どこから異動して来たんですか?」
「あ…ごめん。アメリカだって。
公募で留学してたらしいよ」
「ったく、アメリカが何だよ」
ブツブツ言いながら、
三浦君もようやく仕事を始めた。
「三浦君、英語苦手なの?
これからは経企室でも英語が必要になると思うけど」
「海外マーケティングですか?
新しくできるんですよね」
「うん。三浦君が担当になる可能性もあるじゃない?」
今は私と三浦君で国内マーケティングを担当しているけれど、この秋から海外向けの体制にも着手することになった。
メンバーはまだ決まっていない。
ここで三浦君がまた椅子ごと寄ってきて、小声で言った。
「それ、先輩が濃厚って聞きましたよ?
でも先輩、仕事の量キツくないですか?」
「うそ。私……?」
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