唇の距離

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「……プレゼンのデータ、後で僕に送って下さい。昼までに一度、打ち合わせしてもらえますか?」 「うん、わかった。後で声かけるね」 「…お願いします」 そのまま三浦君は硬い表情で私の横を擦り抜け、無言で戸川君を追い越しすと、早足で経企室の方へ戻って行った。 ほっとして、脱力する。 何だかわからないけど、 とりあえず三浦君の面子は保った。 三浦君が行ってしまったのを見て、 その背中を見送った後、 戸川君がこちらに戻ってきた。
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