唇の距離

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副主任になるのも早かった。 経企室にいるからだ。 女性がキャリアアップできる企業という対外的なイメージアップもあり、私はそのモデルケースとして露出が多かった。 キャリア女性系の雑誌特集の取材は広報も大抵私に回してくる。 会社のPRとしてのただ仕事の一種なのに、実際よりも飾り立てられた記事が雑誌に掲載されると、社内の女子からは陰口を叩かれることが多かった。 「昇格は、仕事が評価されたからに決まってるじゃないですか」 「私達が営業から嫌われてるのは知ってるでしょ?」 だから普通でいいのに、と言うと、三浦君も曖昧に言葉を濁した。 営業出身の三浦君は知っているはずだ。 経企室は机上の空論を振り回すだけのくせに昇進が早いと、営業部門からよく思われていない。
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