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「仕方ないね。
売上のない部門の宿命だよね」
ふ、と苦笑いしてから思い出して付け加えた。
「そうだ、三浦君もたぶん同時に副主任になるはずだよ」
「やった!」
こんな話の後なのに、
三浦君は満面の笑みで喜んだ。
見ていてホッとする素直さだなと思う。
「これであいつと同等です!」
「あいつって、戸川君?」
そうですよ、と鼻を膨らます三浦君に吹き出した。
「戸川君もそのうち主任に昇格すると思うよ。
海事の出世頭だって聞いたから」
ふん、と不満げに鼻を鳴らしてから、三浦君がポツリと聞いてきた。
「さっきあいつ、
何しに来たんですか?」
「いいかげんに
“あいつ”呼ばわりやめたら?
先輩なんだから」
「何の用事だったんですか?
室長にうまくごまかしてあげたのに」
机の上に重ねて置いた携帯と名刺入れに目をやる。
“仕事終わったら電話して”
夜、会えるってこと?
電話することを考えるだけで、
今頃から落ち着かない。
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