嫉妬と煽情と初めての夜#1

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それからは社食を避けたこともあって、変わらない毎日が続いた。 戸川君とはメールでのやり取りはあったけれど、お互いに忙しくて、なかなか都合が合わずにいる。 彼女達の当て擦りは無意識に私の心にダメージを与え続けていて、彼と会うのを躊躇わせていたのかもしれない。 今日は金曜。 慌ただしく仕事を終えた後、家に持ち帰れる作業は週末にしようと、少し早めに帰宅した。 まだ夏の暑さが残る季節。 とりあえずシャワーを浴びてさっぱりした。 タオルで髪を拭きながらリビングに戻ると、テーブルの上の携帯が着信を知らせている。 相手も見ず、慌てて通話ボタンを押した。 「もしもし」 『お疲れ。 今日は仕事終わりそうか?』 戸川君だった。 何度電話で話しても、受話器越しの彼の声に私の心臓が慣れることはなくて、バスタオルの胸元をぎゅっと握る。 「…あ、持ち帰りにしちゃって、 さっき家に帰ってきたの」 『なんだ。じゃ、今日行くな?』 「えっ?うん…」 私、今とても外に出られるような格好じやない。 『お前の分、買ってってやるよ。 じゃな、着いたら電話するから後で』 そのままプツリと通話は切れた。
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