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「どうしよう……!」
何分後になるのか、
聞いておけば良かった。
大慌てで髪を乾かして、せっかく洗った顔にも薄くメークをした。
いくら公園の暗がりでも、
素っぴんはだらしない気がして。
クローゼットから服を引っ張りだして選んでいる時、ドアホンが鳴った。
まさか、迎えに来てくれた?
着いたら電話するって、
ついさっき言ってたのに。
「戸川君、早すぎるよ…!」
焦って服を身につけるうち、ブローした髪も乱れてしまってまた焦る。
再びドアホンが鳴った。
「はーい!今出るから」
髪を手櫛で整え、足がもつれそうになりながら玄関へ走った。
「ごめんね!シャワー浴びてて、
手間取っちゃって…」
笑顔で勢いよく玄関ドアを開けた私は、そのまま凍りついた。
「なんで…」
薄く笑いながらそこに立っていたのは、
「……久しぶり、紗衣」
崎田さんだった。
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