嫉妬と煽情と初めての夜#1

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「僕と話すのも嫌になった? …もしかして誰か隠してるんじゃないの?」 そう言いながらリビングへと向かう。 「やめてよ!入らないで」 「ああ…、そうだ」 リビングに誰もいないことを見てとると、彼は振り向いて冷たく笑った。 「誰か来るんだっけ? シャワーまで浴びて待つような相手が」 「……麻紀が、来るの」 咄嗟に嘘をついた。 戸川君と知られたら、 絶対にいいことなんてない。 「だからもう帰って。 話は分かったし、 責めるつもりはないから」 「まだ話は済んでない。 僕は後悔してるんだ、紗衣」 そう言いながら、崎田さんがこちらに一歩踏み出した。 思わず後ずさる。 「彼女は執着心がすごくて息が詰まるんだ。 携帯も覗かれた。 僕達が鉢合わせしたのも、 彼女が紗衣のメールを見たんだよ」 「二股は事実でしょう? 明らかになって良かったのよ」 小野寺さんのせいにするなんて、 呆れ返るしかない。 自分が蒔いた種なのに。
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